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ジントニック ヘンドリックスとフィーバーツリー



かつて、ジントニックというとカジュアルで安い酒というイメージがあった。そのイメージを覆したのが、現在続々と登場しているクラフトジン。その嚆矢が、ヘンドリックスだ。そしてジントニックといえばこれ以外には考えられないトニックウォーターが、フィーバーツリー。
学生時代は学部の体育会に所属していたりゼミの先生がクラブのプロデューサーだったり飲食店でバイトしてたり飲食店密度日本一の街に住んでたりして、安いカクテルやウイスキーから高価なワインまで幅広く知った。ディスコやクラブでジントニックというのは余りにもベタではあるが、割とよく飲んだ。トニックウォーターがブラックライトで光るのは良し悪しではあるが。その頃のジンといえば定番中の定番、ビーフィーターとタンカレーとボンベイサファイアである。バイト先でもタンカレーを使っていた。

ジンは、くさい。ジンはイギリスを中心とした労働者階級の飲みものだった。ビール以下である。上流階級はスコッチである。そして悪酔いするというイメージまであった。そんなジンを、香り豊かで華やかな酒へとイメージを一新したのが、約20年前に登場したヘンドリックスだ。洗練された、潤いのある香り。それでいながらジン以外の何物でもない味わい。余韻も品があり、安いジンを飲んだときの、あの体臭とも無縁。ジンを飲まなかった人にまでジンを広めた。これは、タンカレーやボンベイサファイアが上位のものを新しく出しても成し得なかったことだ。それくらいエポックメイキングな出来事だった。



それから数年して「クラフトジン」という言葉が使われ始めた。現在では日本でも作られている。京都の「季の美」が知名度の高いものかなという気がする。そのように産地ごと、醸造所ごとに特色がある。かつては臭くて安い酒という扱いだったジンが、五千円でもばんばん売れるようになった。それら全てが、ヘンドリックスの登場によってである。クラフトビールが「大手ビールメーカーとは異なり、小規模で丁寧に作っているブルワリー」というイメージがあるように、クラフトジンも小規模で凝りに凝った作り方をしている。或いは、近年では大手メーカーが行わなくなった伝統的な製造法を守ったりもしている。

ジンとは、穀物や糖分を発酵蒸留した酒(スピリッツ)に、ハーブやスパイスといったボタニカルを加えたもの。ボタニカルは何でもいいが、ジュニパーベリー(ネズの実)は必須とされている。加え方は主に二通りある。オランダも有名だが、一般的にジンといえばロンドンのドライジンである。定番のひとつボンベイサファイアが沢山の種類のボタニカルを用いて長く人気だった。美しいサファイアブルーのボトルの側面に、用いられているボタニカルが描かれている。ジュニパーベリーの他には、コリアンダーシードやアンジェリカ、オレンジの皮などが多く使われる。スタンダードなボタニカルを組み合わせていたので、かつてのジンは、飛び抜けて風味が異なるものがなかった。クリアな感じか、ジュニパーベリーが効いてるか、複雑か、といった差異の少ない中でそれぞれの銘柄が独自性を出していた。

クラフトジンは、量的優位に立てないので、質重視になる。ジンは、ジュニパーベリーが用いられてさえいればいい。他のボタニカルが腕の見せ所というわけだ。それまでのジンが5種類からせいぜい12種類くらいまでのボタニカルだったのに比べ、遥かに多くのボタニカルを使ったものもある。反対に、ボタニカルの種類を削ぎ落としに削ぎ落とした、これまた相当の自信がないとできないものもある。また、ボタニカルが全てオーガニックまたは無農薬というものまで出てきた。

クラフトジンの作り手は、香水の調香師のように、ボタニカルを取捨選択し、バランスをとる。

ジントニックというと別になんてことのないカクテルであり、カクテルと呼べないくらいありふれたものだ。でも、ヘンドリックスとフィーバーツリーのジントニックは、別世界。めちゃくちゃ美味しい。華やかで、品があり、潤いがあって、瑞々しくて、とても澄んでいる。というわけで、久しぶりにちょっと本気出して作ってみた。材料は、ヘンドリックスジン、フィーバーツリー、氷、キュウリ、ローズマリー、ライム。ちなみに、ヘンドリックスの正式なジントニックのレシピは、キュウリとレモンだけでいいです。



常温のヘンドリックスをグラスに注ぎ(コリンズグラスでなくていい)、氷を入れ、ライムを搾り、冷えたトニックウォーターを注ぐ。通常のジントニックはジン30mLでトニックウォーターの量はグラスと氷に依存する「おざなり」だ。でも実は、半々くらいで充分だったりする。アルコールのきつさなど、全然ない。で、バースプーンで氷を底から持ち上げるようにして、また静かに戻る。ステアなど不要。そんで縦切りしたキュウリ(隠し包丁を入れると尚良し)、ローズマリー、搾ったライムを入れる。めんどくさいしコストもかかるが、ぜひ一度ここまでやって飲んでみてほしい。清々しさが尋常ではない。透明で、突き抜けている。

ジン、ジントニック、カクテル、どの括りでも良いが、それに合う「つまみ」は何か。バーなどでナッツやビーフジャーキーやチョコレートやドライフルーツが定番なのは、それらがカクテルやハードリカーに合うからではなく、単に店の運営上での保存性や回転率などが理由なだけである。日本酒を飲むときに鮭のとばや焼き海苔だけでは寂しすぎる。ジンやジントニックに合う「食べもの」はジューシーで脂もある動物性たんぱく質だ。特にクラフトジンとフィーバーツリーで作ったジントニックとは、めくるめく世界へ飛翔するかのように、合う。断言してもいい。



そんなわけで、ボタニカルなジンなので、冷たい料理は、スモークサーモンをアボカドとのサラダにして、オリーブオイルと塩とレモンとディル。温かい料理は、鶏もも肉に塩をまぶしてコンベクションオーブンで焼き、途中でローズマリーを加えてまた焼いて、バルサミコ。アホみたいに合います。スモークサーモンは簡単なので(何しろ出来合いのものを買ってくるだけなのだ)ぜひ。鶏肉は、塩胡椒してトースターで焼くだけでも充分美味しいです。







ヘンドリックス最大の特長は、バラとキュウリの香り。柔らかく華やかな香りで、瑞々しいジン。まずは常温でストレートで口に含んでみてほしい。かつて定番だったジンたちに比べると3倍くらいするが、その価値はある。5倍でも10倍でも価値があるとまで言える。一度ヘンドリックスとフィーバーツリーのジントニックを口にしたら、もう戻れなくなる。そして、ヘンドリックスの後に登場したさまざまなクラフトジンを口にしてみたくなる。そして私は、ボタニストやコーヴァルやモンキー47やシップスミスといったクラフトジンにおける定番をはじめとしてジェネラスやエギュベルといったフランスのクラフトジンにも手を出し、なんだかんだでヘンドリックスに戻った。その最大の理由は、潤いと、華やかさ、瑞々しさ。


ヘンドリックスジン:日本語公式サイト
Amazon.co.jp:ヘンドリックスジン44度
Amazon.co.jp:フィーバーツリートニックウォーター6本

Amazon.co.jp:ザ・ボタニスト
Amazon.co.jp:エギュベルジン

送料を含めるとなんだかんだいってもアマゾンが廉価です。というか、石川県の酒屋の店頭価格よりも安い。そしてフィーバーツリーは、どこにもない。アマゾンで24本なら1本200円くらいで、これはもう圧倒的に安い。私は6本単位で注文している。その場合は、1本300円くらい。

以上是三千字丁度也
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