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漆塗りのウッドコーンスピーカー

2008年08月20日 - 私の作る漆器


これ

こうなって


こうなって


こうなって


こうなる。


このスピーカーは、音が出るウーファー部分に「ウッドコーン」なる、日本語だと「木紙」となってしまう語義矛盾な素材が使われている。要は、木だ。まあ紙も木なんだけれど。とはいっても音色は全く違う。古楽器の音色が濃い。サイズがサイズなので低音が致命的なくらいに出ないし、高音も意外と伸びない。でも、これで聴いていると、まあこれでもいいかという気になってくることも、聴く音楽によってはたまにある。木でしか出せない音色がフルレンジで出てくるからだ。店舗の2階にある接客スペースのBGM用というかハッタリに使うので、お越しになれば聴くことができます。でもほんとは、書斎や寝室の小さなオーディオ、という感じですね。


i様のアイデアをいただき、五円玉の真ん中にビー玉を置いて、その上にスピーカー。


漆器ではないのですが、ブログのどのカテゴリにするのがいちばんおかしくないのか悩んでしまい、このカテゴリにしました。カテゴリも私が作ったのに。もちろん、スピーカーを塗るのは承っています(分解と組み立ては受けつけておりません)。この場合は、特別な工具なしで誰でも組み立てることができるキットなので、私でも組み立てることができました。「組み立てる」と「作る」は違います。

「水と空気以外には何でも印刷する」と、大日本印刷の人から聞いたことがあります。彼らは水と空気にも印刷しはじめましたが。漆も、水と空気以外に塗ることはできます。塗装のひとつなわけですから。それが合うというか、漆にする必然性があるなら漆がいいです。私のこれは、安価なスピーカーによくある木目が印刷されたビニール貼りなんて絶対いやだ、という理由からです。漆塗りで音質が向上するなら、既に市販化されています。

塗ったのは、紫外線に強いMR3です。塗った回数は3回。木地呂塗りといえなくもないかもしれない、という感じです。で、塗りあがってから3か月、日当たりの良いところにわざと放置しました。ほんとうにMR3はUVで劣化しないのかを自分で検証するためです。その差が、下から2番目と3番目の画像の差です。だいたいこんな感じです。ちなみに、濃さは樹種によっても変わってきます。このスピーカー、日本ビクターのSX-WD1KTはチェリーです。

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コメント

No title

ブログ拝見させていただきました。漆塗りのウッドコーンスピーカー、素敵です。私も現在同型のスピーカーを組み立てたいと考えており、塗装のコツなどを検索しているうちに、貴ブログに流れ着いたわけです(笑)そこでご相談ですが、同じように塗装していただくことはできるのでしょうか?可能でしたら、おいくら位かかりますか?よろしくお願いします。

higedebu様
こんばんは。コメントありがとうございます。

ビー玉にする前は、蝋を固めたものや、箸作りで余った細い木の棒を組んだもの、漆器を作るときに余った黒柿の木っ端などをインシュ代わりにしてみたりしました。むかし、有名な山本音響工芸のインシュを使っていました。( http://www2.117.ne.jp/~y-s/accesories-sougou-2007-J.html )これを購入するより、もっと適した木材があるかもしれないとも試してました。水目桜に漆を吸い込ませるのがいちばんいいのでは、という予想はあります。

ビー玉を使った目的は、振動をなくすために、スピーカー下部の設置面積をできるだけ小さくしたんです。その上で、音に余計なライブ感やこもり感を出さないために、下に木を置いたわけです。音の変化となりますと、ないというのが正確かもしれません。

ウッドコーンの音色は、想像していたよりも乾いた感じです。元も子もない表現ですが、乾いた木です(ふだん聴いているのが艶と潤いのあるディアパソンだからというのもあるでしょう)。そのため、アコースティック、特に古楽器は絶妙な相性です。金管楽器も乾いているのにスカスカではなく良い感じです。人間の声は、古い教会で唄っているような感じです。邦楽器との相性は抜群です。雅楽の響きがたまりません。他の民族音楽も、スティールパンなどを除いておおむね良好です。

ただし、小さなフルレンジなのでフルオーケストラは苦手です。打楽器は圧倒的にショボイですし、低域はまったく出ません(ビル・エヴァンス「ワルツ・フォー・デビー」の地下鉄の音が私の基準です)。ピアノの音は、致命的なほど駄目です。そんなわけで全体的に軽いです。音量を上げると、音量が上がるというより、うるさいです。これらは音色どうこうではなく、能力の問題です。でも、ニアフィールドリスニングに適しているとは思います。

漆は、木に染み込みます。なので漆器は頑丈なわけです。その他の塗料は、表面を覆うだけですから。木は隙間があるので、木そのものだと振動します(中村真さんも使っているハーベスのスピーカーは振動を活かした設計思想です)。というわけで、漆でがちがちに固めたらどうなるのか、という好奇心もありました。

漆がスピーカーの塗装で最も優れた「性能」を持つならば、既にこの世のスピーカーは漆塗りになっているはずです。帰納法的ではありますが。というわけで過度の期待はしていませんでした。正直に言えば、漆器屋に置くならこれがいちばん溶け込む、話の種になる、もしかしたら注文をいただくかもしれない、という下心が最大の理由です。話が固まるまで公表しない私ですがフライング気味に白状すると、既に日本ビクターには連絡をとってあります。

漆を塗って締まったのか、変わらないのか。同じ条件で素のものを聴いていないので判りません。キットなので内側のフェルト貼りなども自分でやるんです。漆を塗るのはフェルトを貼る前にしないといけません。でも、木そのものは明らかにスカスカなので、これで締まったということなのでしょう。このスピーカーは塗装することが前提のキットなので、購入した人は思い思いの塗装をするはずです。ニス、ペンキ、スプレー、などなど。それらの表面塗装に比べれば、遙かにみっしりと木目が埋まります。そこから推察するしかありません。

ふつうのウッドコーンスピーカーの音は、ヤマチクのクラシック館で試聴できますよ。先日訪れたときは加賀百万石が何とかかんとかいうCDが入っていました。奥には煌びやかなモニタースピーカーの代表格、B&Wのスピーカーが店内BGM用に置いてあるので対照的です。

ふだんはうちにありますが、今月17日から4日間、金沢の名鉄エムザで展示し、音を出してプレゼンテーションする予定です(音を出して良いのか、名鉄さんと交渉しきゃいけなかった忘れてた)。
  • 2008-09-02 |
  • kota
  • URL
  • edit ]

音はどうですか?

五円玉とビー玉、音は変わりましたか。
と、こんな風にいきなり聞くと失礼ですね。
このウッドコーンのスピーカーには興味がありました。
素ではどんな音?漆を吸わせるとどんな音?ビー玉ではどんな音?
興味しんしんです。
  • 2008-09-01 |
  • higedebu
  • URL
  • edit ]
      

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Tsuyoshi Kotaniguchi
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