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2008年04月26日 - 漆のあいうえお

■具眼

漆器の本質はどこに宿るのか、まだ私は見つけられずにいます。
高名な作家、過去の書籍、誰に聞いても、本質に辿り着けていない周縁の言葉ばかりです。それはなぜか。漆器および全ての食器の世界においては、製造に関する具体的な言葉が重視されているからです。具体的な言葉が日常会話となると、その奥に潜むものは姿を現すことがありません。

人間が発することができる言葉は、個人の理解の範囲を超えることは決してありません。ビジネスとしては、私たちがふだん使っている言葉を翻訳することが最善でしょう。私もそのためにブログを書いています。なんだかんだ言っても、ものを作っている人や売っている人が公的な名前や屋号を出してブログをやっているのは、ひとりの例外もなくビジネスです。それはともかく、日々その仕事をしていると、なおさら本質に行き着くことができないというのは、どんな世界にもあります。そんなものがなくても毎日は仕事で動いていますから。

しかし、ほんとうのことを言えば、私はその奥を知りたい。これはビジネスではなく、ただ知りたい。でも、人間国宝もビジネスであり(そもそもなぜ人間国宝になるのかを考えれば簡単なことである)、スイッチを入れたらルーターが自動的に横木を削って、拭漆を施して大量生産している人もビジネスである。そこにある差異は、価格と数量のバランスでしかない。一方、科学的な機関は、そこにあるものを数値化することしかできない。どこにも、私が知りたいことが存在しないのです。

ひとりで考えて何かを見いだしたとしても、単に自分に酔っているだけです。そんな事態に陥ることだけは避けています。では、どうすれば「知る」ことができるのか。つまり、私は漆器における具眼の方法論すら見つけていないのです。

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