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黒摺りカップのアフォガート

2006年10月14日 - 漆器のコーディネート



アフォガートが食べたくて、エスプレッソマシンを持たない私というか、エスプレッソマシンがあれば美味しいエスプレッソを飲めるかというとそれはまた別の話であって、とにかく最近はエスプレッソマシンを改造するくらい異様にこだわるこのお店に行けば間違いないので食べたいと思いつつも、そうなると撮影もしておきたいので天候や光の具合も見計らっていた。この日は起きたときから撮影に最適な光で、一緒に散歩していたパティ・スミスの手を引っぱって「これだ! この光だ! この光を逃してはいけない!」と叫んでアパートに走って帰ったロバート・メイプルソープのごとく、私は私の黒摺りカップを手にして部屋を出た。店のおやじは豆を選り分けているのかなと思いきや、インターネットをしている。そういう脱力感も魅力の店。
黒摺りカップにアイスクリームを入れ、エスプレッソをかけていただいた。この店ではアイスコンカフェという名前だけれど、違いが私には分らない。affogartとは「溺れた」という意味なので、小洒落たところで平たい深皿に盛られて申し訳程度にエスプレッソがかけられたものはむしろマキァート(染み)とでも改称していただかないと詐欺である。ここのは、ちゃんと溺れている。コースターとスプーンもいい感じで、まるでカフェのようである。というか、カフェである。自分の作る器がカフェにぴったりなのは喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのか逡巡しているとアイスクリームが溶けはじめたので、1分くらいでぺろりと食べてしまった。早い。

海に面したところが一面ガラスで、海にはサーフィンを楽しむ人たちが大勢いた。イメージとは裏腹に日本海は波が低いので、鵠沼や白子だったらみんなどうなるのかなあなどと思いながら眺めていると私がパドリングしたかのようにお腹が空き、トウモロコシで作ったナンのような、ええっと、何て言ったっけ、それを使ったラップサンドを食べた。順序が逆である。



こういうお店は海が見えるというロケーションが最大のおいしさと雰囲気になりがちというか、売りがそれとなると甘えが出てしまい出されるものはありきたりということになりがちなのですが、ここは味を追求しているので好きです。美味しいコーヒーを作ってもらうときの、あのなんだか笑ってしまうような儀式的な雰囲気が皆無、たたずまいは海辺のカフェというのもいいです。

アフォガートを自宅で作るときは、ハーゲンダッツがベスト。理由は、原材料を読んでみてください。他の市販のアイスクリームだと、いかにも体に悪そうな溶け合いかたを見せてくれますし、味で対抗できるのはハーゲンダッツしかありません。ラクトアイスなど、もってのほかです。

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Tsuyoshi Kotaniguchi
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