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木地の試作

2006年08月27日 - 日々の仕事



まだ試作段階なのではっきりとはお見せできませんが、このときのスプーンの木地です。
サンプルといってもこのままの状態で形を検討するわけではありません。木地は、日光で変形します。また、触れた個所には指の痕というか指紋=脂がつくので、下地が乗ったり乗らなかったりしておかしくなります。なので試作の木地といえども拭漆を施します。そのあと、老若男女さまざまな人に持ってみていただきます。私も、スープやカレーをいただいてみます。ショップのスタッフや、企画したスタイリストの方からもアドバイスをいただきます。もし万が一、このままで修正箇所がなければ、下地→下塗り→研ぎ→上塗りと進むことができます。できあがったら、また検討です。完成する時期の目標はありますが、木地の作り直しをするとなると、また3か月かかります。一発でかたちが決まって木地に変更がなくても、修正や微調整や塗り直しなど、延びることのほうが多いです。お金や時間を優先していては、いちから新商品を作ることなどできないのです。

同じ素材で同じ技法で作っても、一生使えるものと使えないものができます。その差があるため、一生使えるものにするため、何度も検討するわけです。作家や職人のエゴと技術自慢だけでは、見た目はすばらしいかもしれませんが、できあがったときがいちばんすてきなだけです。ほんとうに良いものというのは、もっと別の場所からアプローチしなければ、解決策は見出せません。

スプーンは、今年中に発表できるようにすべてのリスクの可能性を考慮しています。待っているショップの方もいらっしゃいます。スプーンくらい、現在流通しているものの中から選べばいいという考え方もありますしそっちのほうが大勢ですが、こんなスプーンがあればいいなと何となく思っている人にとっては「これ」というものがないというのもまた事実です。待っていただける、納期もいつでもかまわない、というのはありがたいことです。

画像を鮮明にしていないのは、形は同じだけれど中身の全く違うものが中国で1か月ほどでできてしまうため、形を考案した私が「デザイン」において後発になってしまうからです。

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Tsuyoshi Kotaniguchi
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