Ads by Google
--年--月--日 - スポンサー広告
新しい記事を書く事で広告が消せます。
山中漆器は、鉋(かんな)でろくろ挽きします。
鉋と言っても、あの鰹節削りのような鉋ではなく、画像のようなものです。
木地職人は、鉋を自分で作ります。
仕事場に鍛冶場があります。
鉋の刃先を作るわけです。
自分に合った鉋を作ることができて、
よくやく木地職人、木地師として仕事ができるようになるのです。
良い鉋といっても「良い」ものは人によって異なります。
挽く腕がまだまだだと、まだまだな腕に合った鉋が最適となってしまいます。
陸上選手とシューズ、テニスプレーヤーとラケットといった関係が、
個人にまで細分化されたようなものです。
仕事場に鍛冶場のない木地職人が増えています。
彼らは、主に旋盤で挽いています。
その人がほんものかどうかは、鍛冶場があるかどうかですぐに判ります。
鉋の刃先には、幅が細いもの、幅が広いもの、斜めになっているもの、
円いもの、斜めになっていてふくらんでいるもの、
ものすごく曲がっているもの、曲がった刃先が長いもの、などなど、
たくさんの種類があります。
木地師は、挽く材料とかたちによって、それらを使い分けます。
新しいかたちのものを挽くときには、
鉋から新しく作らなければならないこともあります。
何かを挽いていて「これじゃなくて、もっとこんな鉋がいいな」
と思うこともあるかもしれません。これは私の推測です。
そんなこんなで、ろくろのスペースの壁には、
鉋がどんどん増えていくのです。
茶道具の棗だけしか挽かない木地師もいますが、
それでもやっぱり何本もあります。
そのうち「漆器ができるまで」でご紹介する予定ですが、
木地師は、ろくろ挽きするとき、狭い掘りごたつのようなところに、
腰から下をすべてもぐりこませます。
ろくろ挽きをするスペースは、4畳半ほどです。
高さは2メート足らずのところが多いです。
そして、足でろくろの回転方向や速度を調節しています。
広くても意味がありませんし、手に届く位置に道具がないと、
わざわざ腰を上げて取りに行かなくてはなりません。
下の画像は、挽いているところです。
木地師から見て右奥、つまり画像の手前に、鉋が並んでいます。
ひとつ挽くときにも、何本も持ち替え、それを繰り返すのです。
刃先は磨耗します。
なぜ木より硬い鉄が磨耗するのかは、
詳しいことは判りませんがレコード針と同じことでしょう。
初めて目にする方はたいてい驚きますが、木地を挽くときには、
ひとつ挽いている間にも何度も砥石で刃先を研ぎます。
刃先を常に同じ形状にしていないと
同じ動作で同じかたちを挽くことができないからですが、
挽いている時間よりも研いでいる時間のほうが長いんじゃな(略
鉋の素材は鋼です。
さすがに、鋼づくりからはしません。
木地師は、日本刀づくりにおける「素延べ」状のものを購入します。
日本刀づくりのノウハウがあれば磨耗しにくい鉋になると思うのですが、
玉鋼を鍛えて心鉄を皮鉄で包んだりしていては、
それでは本職の刀鍛冶になってしまいます。
「鍛冶場」と呼ばれるスペースで叩くわけですが、
鍛えているわけではなく、刃先の形状を作っているのです。
木地師の鍛練は、ろくろ挽きです。
下の画像の上のほうには、円いものが積み重ねられています。
次回は、これをご紹介する予定です。
TRACKBACK
コメント
コメントの投稿
前の記事:漆のマトリョーシカ
次の記事:五感で感じる文学
うるしのうつわ うたかたの日々の泡HOME

